ディープフィッシングのエチケット

皆さん、初バスは手にされましたでしょうか?

私は幸先良く元旦に初バスを手にすることができ、今年も良いシーズンにしたいと思っております。

エア抜きの必要性

今年最初のレポートは、必ず覚えておいておきたいテクニックとして、「エア抜き」についてご紹介したいと思います。

(今年の元旦にドライブクローラー3inの10gヘビーダウンショットで釣った47cmの初バス)
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夏から冬場にかけて、ディープフィッシングは僕のベーススタイルなのですが、ディープフィッシングをしないと思っている人でも、ぜひ身につけておいてもらいたいのがエア抜きのテクニックです。

エア抜きのテクニックは、バスフィッシングにおいて、フックを飲まれたときの対処くらい重要なテクニックだと思います。

海で船釣りをしていて、小さいメバル、カサゴなどをディープ釣り上げることがありますが、これらをリリースするときも、エア抜きが必要です。

エア抜きしないとどうなるかというと、小さい魚は浮き袋に溜まった空気の力に泳力が負けて、潜っていけなくて・・・鳥に食べられてしまいます。

きちんとエア抜きをしてやると、一目散にディープに戻っていけます。

浮き袋にエアが溜まっていると、人間でいえば浮き輪をつけて潜るようなものなので、ものすごく負担が掛かると思います。

なので、僕はバスをキープしないときでもディープで釣ったときは、必ずエアを抜いてリリースします。

すぐにリリースするときは若干エアを残し気味にリリースしますが、この辺の調整方法は後ほどご紹介します。

どの水深から釣ったバスをエア抜きすれば良いかですが、これはまちまちです。

一般的には、水深5m以上で釣ったバスはしたほうが良いですが、フィールドによっては必要ない場合もあります。

僕が通っている弥栄ダムはリザーバーで、最も深い場所では60m以上あるので、冬場になれば25mくらいのディープでも釣れることは良くあります。

魚が相対的に深いフィールドであれば、浮き沈みをするのに慣れているので、バスの個体にもよりますが、水深5mくらいならエア抜きをしなくても大丈夫な場合があります。

逆に、水深1mくらいやカバーで釣ったとしても、エア抜きが必要な場合があります。

というのも、例えば7mの水深にいたバスがフィーディングで上がってきたり、ブレイクの下から食いあげてきたり、立ち木の根元から食いあげてきたりという場合があるからです。

特に注意したいのが、高梁川のような最も深い場所でも7mくらいのフィールドでは、3mくらいのフラットで釣ったとしても、エア抜きが必要な場合が多いです。

このように一概には言えないので、釣ったバスはすばやく写真を撮るなどして、やさしくリリースすることを心がけてください。

エア抜きの方法

ディープから魚を釣り上げた場合、まず何をするかといえば必ずエア抜きが真っ先に必要です。

フックを外すよりも写真を撮るよりも、まずエア抜きを最初に行ってください。これが一番大事なこと。

フックを飲まれたとしても、針がついた状態でエア抜きをしてやって、あとでフックを外すことで生存率はかなり上がります。

エア抜きの方法には、横から刺して抜くスタンダードなタイプ(以下、横刺し:写真1)から刺して抜くベンズメンダータイプ(以下、ベンズメンダー:写真2)、大きく2種類ありますが、お勧めは間違いいなくベンズメンダーです。

自動車の運転にたとえるなら、横刺しがマニュアル運転で、ベンズメンダーがオートマ運転くらい違います。

僕も現在はベンズメンダーしか使っていないくらい、楽なのですが、少し注意事項があるので、それを心得た上で使ってみてください。

まず、エア抜きをするにはバスの浮き袋の位置を知らないといけないのですが、海釣りをする人はぜひ自分で魚をさばいてみてください。

基本的に浮き袋は脊椎骨の下を通っています。(バスの内部構造についてはこちら)

横刺しの場合は浮き袋めがけて、針を刺さなければならないのですが、バスによって浮き袋の位置が変わっているので熟練の技を要します(写真3)。

釣った水深による浮き袋の腫れ具合、餌を食べている量による胃のふくらみ具合、個体によるおなか周りの肉のつき方など、これらを総合的にみて針を刺す位置や角度を決めてやらなければなりません。

そうはいっても、痩せているバスや小さいバスは比較的容易なのですが、肉付きが良いバスほどやり難いです。

また、針を刺す前に針穴につまりがないか確認する必要があること、針を刺す際にウロコを刺さないように掻き分けて身を刺さなければならないこと、刺さったとしても身が針穴に詰まる場合があるので、もう一度、針穴のつまり吹き矢を吹くようにとってやって刺しなおさなければならないなど、面倒なことが沢山あります。

一方、ベンズメンダーはとても簡単で口の穴に挿すだけです。

取扱説明書では口の穴の中心に挿すと書いてありますが、僕はその若干上を刺します。

というのも、大体15mくらいを超えるディープからバスを釣ると、浮き袋が膨らんで口の穴の上が少し膨らみます(写真4)

ここが口側からアプローチする浮き袋へ一番近い場所だからです。

口の穴の2~3mm上を目掛けて刺してやると、確実にプシューと気持ちよく抜けます(写真5)

すぐに魚をライブウェルに保管しない場合はこれでOKです。

すばやくフックを外して、写真を撮ったり、サイズを測ったりしてリリースしてあげてください。

写真1 スタンダードな横刺しタイプ
写真2 最近話題の口から刺すベンズメンダー
写真3 スタンダードな横刺しタイプで刺す位置
写真4 エア抜き前、浮き袋が膨らんで、口の穴の上が少し膨らんだ状態
写真5 ベンズメンダーでエア抜きする位置、口の穴の2~3mm上を真っ直ぐ刺します
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ライブウェルでの監視方法

僕は、極力バスにダメージを与えたくないため、トーナメント以外ではライブウェルに保管しないことを心がけていますが、ライブウェルに保管する場合はバスのエアに十分注意することで、バスが弱ることを防止できます。

良くトーナメント中にライブウェルの中のバスを見ますが、監視のポイントでとても大事なのはバスの位置。

落ち着いて良い状態のバスは、底から3cmくらい浮いた場所でじっとしていてくれます。

これが、エアが溜まっていると中層付近を泳ぎ回ったり、ひどいときは水面から背びれをだして泳いだりしています。

これは活性が高いのではなくて、エアが溜まっている状態だと思って、まず間違いないです。

これをほって置くといつの間にかバスが横に向いたりします。

シャローやカバーで釣ったとしても、この監視作業を怠らずに、バスが浮くようなら早い段階でエア抜きをしてみて下さい。

ベンズメンダーでエア抜きするときは、口の穴の2~3mm上を目掛けて刺して、プシューといった通常の抜き方に加えて、あと1~2回おなかをなでてやります。

これで少しシューとエア抜ける音がし、これでライブウェルに保管するのに完璧な状態になります。

横刺しの場合は、「針を刺したままライブウェルに入れてやるとちょうど良いところまでエアが抜ける」といわれることがありましたが、これはエアが抜けてくると針先が浮き袋に届かなくなるからです。

しかし、ベンズメンダーの場合は、浮き袋の付け根に針先を刺しているので、針を刺したまま水につけることは厳禁です!浮き袋のエアが全部抜けてしまいます。

エアが全部抜けたバスはどうなるかというと、ライブウェルの中で底におなかをつけて少し斜めになってしまいます。

こんなときはエアレーターを全開にしてやるしかないのですが、浮き袋にエアがあって初めて魚は泳力が出るので、エアの抜きすぎにはご注意を。

ベンズメンダーでエアを抜くときには唯一の注意点です。

最下段の写真の2匹とも水深5mで釣ったのですがエアがいっぱい溜まっていました。

どちらも、もちろんエア抜き後に撮影しています。

最後に

ベンズメンダーは、横刺しタイプのものを買って丈夫なストローなどで自作も出来るようですので、これを読んでいただいたことにより、ボートフィッシングする場合は必ず用意しておいてもらえると嬉しいです。

バスを大切に扱うことが、バスフィッシングをずっと続けるために大切なことですから、ぜひ実践してみて下さい。

(写真6 1月14日にドライブクローラー3inの10gヘビーダウンショットで釣った42cm)
(写真7 1月27日にドライブクローラー3inの10gヘビーダウンショットで釣った47cm)
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